メカニカルキーボードの本体

キーボードの選び方

キーボード本体は、軸とキーキャップがすでに組み立てられた既製品も多いですが、軸とキーキャップが付属していない本体だけのベアボーンもあります。
ここで主に考えるべきことは、レイアウトとサイズです。

レイアウト

レイアウトは「JIS配列」と「US配列(ANSI配列)」があります。
JIS配列に慣れている方はJIS配列で良いと思いますが、本体やキーキャップの選択肢はUS配列の方が豊富です。
私は両方の配列を使いますが、所有しているキーボードはUS配列がほとんどです。

Wikipedia キー配列 より引用


「US配列」と表記されている場合は、基本的にANSI配列のことを指します。これとは別に「ISO配列」というJISに似た配列のレイアウトもありますが、ラインアップにないことが多いです。
上記レイアウトは規格なので、実際のキーレイアウトは少し異なることがあります。

サイズ

キー数はテンキーまで備えたフルサイズを100%としたとき、

  • 85%…テンキー部分が無いもの。
  • 75%…pgup/pgdn/home/endを縦に並べ、カーソルキーを寄せたもの。
  • 65%…75%からファンクションキーを排除したもの。カーソルキーはあります。
  • 60%…65%からカーソルキーを排除したもの。vimでコーディングするようなエンジニア向けです。

こういう種類のキー数があります。他にも特殊な配置の40%とか30%といった狂気を感じるものもありますが、実用的なものは上記の種類になります。

私は主に75%を使っています。pgupやpgdown、カーソルキーが少し離れたタイプです。机のスペースが広くなり、打鍵ミスも減少します。カーソルキーを組み合わせた単語選択などを使う人は、60%以下は慣れるまでがかなり大変です。

Kono’s Quickstart Guide to Mechanical Keyboards より引用

小説、ブログ、論文の執筆ではテンキーはいらないと思うので、75%以下がお勧めです。キーボードの右側がごっそりないだけで、マウスとの距離も短くなります。

どうしても仕事でテンキーが必要な人は、テンキーだけ独立したものを購入してしまう方法もあります。そこは安物で構わないと思います(メカニカルのテンキーは高いです)。

ホットスワップ対応

キーボードのホットスワップとは、軸交換に対応しているかどうかです。自分ではんだ付けできる人以外は、必ずホットスワップ対応品を選びましょう。

Hot-swap Keyboards Explained – and the Best Redragon Hot-swap Keyboards for you より引用

ベアボーン品はほぼホットスワップ対応ですが、組み立てられた完成品はホットスワップに対応していない溶接品があります(スイッチが溶接してあります)。非対応品は大抵何も書いてないので注意が必要です。ホットスワップ非対応品を購入してしまうと、ハンダ技術がない限り、軸交換ができません。メカニカルキーボードを購入して軸交換できないのは勿体ないです。

ごく稀に、安価なキーボードの場合、一般的なMX互換スイッチが刺さらないものがあります(e元素等)。ほとんどのメカニカルキーボードはMX互換3/5ピン対応PCBですが、非対応の場合でも商品ページには記載してないことがあります。レビューなどを見て確認してください。

ガスケットマウント

ガスケットマウントが入っているキーボードは、キーを上から押したときに柔らかくたわみます。打鍵時の底打ち感を和らげる働きがあり、長時間大量の文章を入力する小説執筆にはあった方が良い機能です。
長時間繰り返し硬い底打ちを感じると、徐々に指先が痛くなってきます。

Keychron Q1 Max QMK/VIA ワイヤレス カスタム メカニカルキーボード(US ANSI 配列) より引用

この機能は打鍵音にも影響するため、あえてガスケット無しで硬い打鍵音を響かせることを好む人もいます。
ガスケットはシリコン製ですが、メンブレンのラバーカップと異なりプレートと本体のマウント部分に装着される部品であるため、打鍵のソリッドさが失われることはありません。

角度調節

プラスチック筐体のキーボードには角度調節のための足がついていますが、金属筐体の高級キーボードには足がないことが多いです。重い本体の角度を貧弱な足で支える構造は設計上の問題があるため、どこのメーカーも採用していません。
そのため、高級機は打鍵面が平らになりがちで、湾曲した打鍵面を持つキーキャップを採用するなどの工夫が施されています。

それでも角度調整が必要であれば、マグネット式の角度調整器具や、シリコンマットを自分で加工して調整器具として使うことができます。
私は細長い布のポケットを手縫いして、中に折ったコピー用紙を重ねて詰め込んで角度調整に使っています。滑り止めつきの専用調整器具はツルツル滑って使い物になりませんでした。

bluetooth

タブレットなどに接続するにはbluetoothが必須になります。
海外から個人輸入したキーボードは「技適」マークがついていないので、これで無線接続を行うと違法になります。bluetoothを使う場合は必ず国内代理店から「技適」マークの付いた製品を購入するように注意しましょう。

技術基準適合証明等を受けた機器の検索 より引用

国内販売されていないキーボード本体がメルカリに掲載されていますが、技適のない製品を売買すること自体は法律に抵触しないそうです。このあたりは色々曖昧で、法律自体が時代性に追いついていないという指摘もあります。

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