初心者だった私が最初に直面した7つの疑問について説明します。
メカニカルキーボードを長年使用している人は全く気にしない疑問ですが、初心者は最初にこういう疑問を持ちます。そして、その明確な答えはどこにも書いてありません。
1.これって軸交換できるの?
メカニカルキーボードには軸が溶接されているものと、軸交換に対応したホットスワップ対応品があります。ホットスワップ対応キーボードを購入すれば間違いないのですが、問題は販売サイトに「ホットスワップ対応」と明記されていないことがあります。
明確な見分け方はありませんが、販売ページで「ホットスワップ」で文字列検索して、ヒットしなければそのメカニカルキーボードは溶接だと思ってよいです。ホットスワップ非対応製品にわざわざ「非対応」とは書いてありません。これは非常にわかりにくい表記問題だと思います。
Hot-swap Keyboards Explained – and the Best Redragon Hot-swap Keyboards for you
更にホットスワップ対応であっても、一般的なCherry MX互換スイッチに対応しているかについても明記されていないことがあります。「MX互換」と書かれてきたり「ほとんどの3/5ピンスイッチに対応」であったり、非常に表記があいまいです。「Cherry Gasteron Kailh 3/5pin互換」と書かれていたら安心できます。
具体的にはe元素のキーボードはMX軸が刺さらないことがあります。軸のピンの幅によっては運良く刺さったりしますが、大半刺さらないという報告もあります。
このあたりはメーカーの公式サイトでマニュアルをダウンロードして調べるしかありません。マニュアルすら無いキーボードは避けたほうが賢明です。
2.US配列って日本語打てるの?
US配列でも普通に日本語は打てます。但し、問題があります。
Macでは初めて接続するときにレイアウトの判定を行ってくれますが、複数のキーボードを差し替えながら使う場合、US配列とJIS配列が混ざっている場合は、karabiner-elementsのようなキーマッピングアプリでレイアウトを切り替える必要があります。
Varmilo 81 Minilo Retro ANSI Hot-Swap Mechanical Keyboard – Cherry MX シルバー軸
Windowsの場合はOSが自動判定してくれることはありません。レジストリを書き換える必要があります。それが面倒であれば、JIS配列のままUS配列のキーボードをマッピングしてくれるアプリがあるので、それを導入する必要があります。
日本語と英数の切替はデフォルトではMac/WindowsいずれもCtrl+スペースキーです。トグル方式になるので、面倒な人は別のキーに割り当てることで解決します。
もし、かな入力を期待しているのであれば、日本語かなが打刻されたUS配列のキーキャップを探す必要があります。数は少ないですが存在します。
3.bluetooth接続していいの?
bluetooth接続を行う場合、購入したキーボードに「技適」マークがついているかどうかを確認してください。
海外から輸入したキーボードは技適マークがついていないため、たとえ機能的に接続が可能であっても、繋いでしまうと違法になります。
4.このキーキャップはこれに合うの?
キーキャップと軸がついていないベアボーン本体を初めて購入したとき、皆同じ疑問を抱えることになります。
まずベアボーン本体でキーキャップがついた完成状態がわからない販売ページが散見されます。公式サイトで説明書をダウンロードすればよいのですが、公式ベージが存在していないケースもあります。そういった商品は避けたほうがいいです。
完成状態がわかったとしても、どのキーがどれくらいの大きさかよくわからないことがあります。
基本的に文字キーの幅を1Uとして、0.25刻みで規格されています。1U、1.25U、1.5U……のようなサイズ感になっているので、1Uのキーを基準に測定し、購入を考えるキーキャップですべてのキーが埋められるかを検証する必要があります。
キーキャップについてはそもそも公式ベージが存在しないものが多く、販売ページで内容物の画像が無いともはや購入できません。運良く画像がついていたら、そこから必要なキーの横幅を測定する必要があります。
いずれも大変そうですが、見るべき点はスペースキーの行に配置されるキーキャップのサイズと種類です。75%キーボードなどはスペースキーの右側に配置される⌘キー、fnキー、Ctrlキーがすべて1Uなので、適合するキーキャップが含まれていないものを買わないように気をつけましょう。
メカニカルキーボードはノーマルプロファイルとロープロファイルで使えるキーキャップが異なります。ただ、明らかに形状が異なるのでここで間違う人はいないと思います。
5.Windows用のキーボードはMacで使える?
大雑把に言うと使えます。
AltキーがOptionになって、Windowsキーが⌘キーに割り当てられていて、通常配列と逆になっていたり、混乱するポイントがいくつかあるので、キーマップで調整は必須になってきます。但し、VIAやキーマッパーで調整しないと、Mac固有のファンクションキーのキーコードを送信できないことがあります。
実際のところ、常用するキーボードであればMac用に使えるキーボードの方が安心できます(切り替えスイッチがついています)。
6.オフィスで使えるの?
メカニカルキーボードは打鍵音がやかましいものがあるので、オフィスで使う場合は注意が必要です。
クリッキー軸がうるさくて使えないというのは有名な話ですが、タクタイル軸もうるさいものはうるさいです。リニア軸でも黒軸などの大きな音を響かせるものもあるので、事前に打鍵音の大きさは気にかけておいたほうがいいでしょう。
心配であれば「静音」の名がつく軸を選んでおいたほうが安全です。
7.初めて買うのはどれがいいの?
メカニカルキーボードが展示してある大型量販店が近所にあれば、出向いて実際に触って検討した方が良いと思います。都内の大型店には必ず置いてありますが、案外都市部から離れた量販店にもエントリー機なら置いてあることがあります。
最初から高級機に手は出さずに、エントリー機か中級機からスタートしたほうが良いと思います。
どんなガジェットでも最終的には高級機が欲しくなるものですが、まずエントリー機からスタートしないと、最初に高級機を買って「これ自分に合わない」と思ってしまったらきっとメカニカルキーボードに幻滅するでしょう。道はそこで終わりです。
基本的にメカニカルキーボードに手を出して「これ一台で十分です」という人は少ないです。必ず次を求めます。順当にエントリー機から徐々にステップアップしていった方が、却って間違いが少なくなると思います。
重要なことは「無理をしない」ことです。お金に余裕がないのに高級機を買ってしまったり、US配列を使ってドヤ顔しようとして触ったこともないANSIキーボードを購入してしまうのは危険です。普段使い慣れているキーボードに近いものから購入して、少しずつ理想を追い求めていくようにすると良いと思います。
アイキャッチは 8BitDo’s First Mechanical Keyboard Is a Tribute to the NES より引用