外に持ち出す

使用環境別に選ぶ

キーボードを外に持ち出して執筆する人にとっては、通常のメカニカルキーボードは大きすぎます。持ち運びを前提としている方には、薄型のメカニカルキーボードをお勧めします。

ロープロファイルキーボード

ロープロファイルキーボードは、通常のノーマルプロファイルに比べて軸や本体が薄型で、打鍵のストロークも浅くなるように設計されています。その分、キーボード本体がかなり軽量で小さく、持ち運びの負担になりません。ケースに入れてもカバンに入るサイズです。

Lofree Flow84より引用

ロープロファイルのメカニカルキーボードはストロークが浅いこともあり、打鍵感で若干劣るというデメリットがありますが、Lofreeのようなロープロファイルが得意なメーカーのキーボードは打鍵感も打鍵音も優れたものが多いです。
小型で軽量なので、ノートPCの上に載せて使うこともできますし、パームレストもありますが、なくてもそれほど打ちにくくありません。

ULPキーボード

24年から登場したロープロファイルよりも更に薄いキーボード。
国産メーカーのARCHISITEがMistelシリーズにAIRONEがラインナップされています。パンタグラフ並みの薄型キーボードですが、ちゃんとメカニカルキーボードです。

ただ、このキーボードは有線接続にしか対応しておらず、キー軸やキーキャップの交換ができない仕様になっています(無理に外すと壊れます)。

なぜ薄型は打鍵感に劣るのか?

ロープロファイルキーボードでよく言われるのが「打鍵感に劣る」ということです。
これは実際に使ってみても、確かにストロークが短い以外はノーマルプロファイルと何ら変わりないのに、長時間扱っていると徐々に疲れてくることに気づきます。

原因の一つは薄いキーボードの形状にあります。
キーを押下するとき、想定しているよりも速く底打ちするため、相当優しく打鍵しないと、強めに底打ちしてしまい、それが長時間続くと指先が痛くなってきます。パンタグラフを使っているとこの問題に悩まされることになります。
また短いストロークでは指を跳ね返すのに十分な反発が得られないというのも感じられます。ロープロファイルキーボードでタイピングしていると、指を押下するだけでなく、指を自分で上げていることがあります。徐々に手の甲から疲れてきて、手を伸ばす動作を繰り返すようになります。意外にも早く疲れてしまうようです。

ただ、薄型メンブレンなんかに比べると、圧倒的に打鍵感は良いので、ノーマルプロファイルのようなデリカシーのない大きなキーボードをデスクに置きたくないという乙女心があるなら薄型を検討してみても良いと思います。また、もともと深いストロークに合わない人はロープロファイルが最適です。

完璧な静音は難しい

外に持ち出すキーボードに極限まで静音加工を施したり、超軽量静音軸を使ったり、静電容量無接点方式を使ったり、いろいろな静音ノウハウがありますが、周囲に迷惑をかけない完璧な静音は非常に難しいと言えます。

最も静かと言われる静電容量無接点方式の軽量キーや静音赤軸であっても、ほんの僅かな打鍵音が響きます。周囲の人達はやかましい打鍵音も嫌いますが、この控え目な音に却ってイライラを募らせる人もいます。テーブル投影キーボードでテーブルを指先で叩いていても耳障りに感じることがあります。

電車内でイヤホンから音漏れしている人を思い浮かべてください。オフィスで気にならない打鍵音も、静かなカフェや電車内、ましてや図書館などでは「場違いな音」として認識されてしまう恐れがあります。その音に注意が向いてしまい、小さな音であるほど神経が尖ってしまう奇妙な現象です。静かな場所でのひそひそ話も同じような理由で嫌われます。

こういったリスクを避けるためには、環境音のやかましいカフェを探すのではなく、外でタイピングすることを辞めるという選択肢も考えておいたほうが良いと思います。外でタイピングすることで不愉快な思いをしたのであれば、「なんて神経質な奴らだ!」と他人のせいにするよりも、早く帰って自宅で作業を続けるか、シェアオフィスの利用を検討してください。

外では注意

喫茶店などでノートPCを開いて操作している人は多いですが、その時間が長引くと、お手洗いに行きたくなります。そのとき、ノートPCを開いたまま離席してしまう人がかなり多いです。日本国内では盗難のリスクは低いですが、ゼロではありません。ノートPCではなく、その上に載せられたキーボードを盗まれる可能性もあります。また、ロックも掛かっていないPCはいたずらされる可能性があります。

基本的に外でPCを操作する場合は、

  • 周囲(背後)にスマホを持った人物が立っていないか気をつける(動画撮影でショルダーハックされます)。
  • PCやキーボードを残したまま離席しない。

ということに気をつけたいです。

そう考えると、カバンへの出し入れに手間がかかる厚手のキーボードを持ち運ぶのは現実的ではありません。

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