深夜に論文やブログを執筆する人は多いと思います。その場合、部屋の環境にもよりますが、あまり大きな打鍵音を響かせるキーボードは好ましくありません。ガスケット構造が備わっているキーボードをお勧めします。
一般的な静音化
静かな打鍵音を好むメカニカルキーボードユーザーが行っている静音化方法を紹介します。
静音軸への交換
非常に打鍵音が静かな静音軸というものがあります。
通常の赤軸を静音化した軸ですが、これを搭載することで打鍵音を小さくすることができます。赤軸系自体がもともと打鍵音があまり大きくないということから、それほど劇的な差は感じないのですが、少し離れた位置で聴くと、静音赤軸は打鍵している音がほとんど聞こえなくなります。
静音軸はCherry MX Silent、Gateron Silent、TTC Silentなど、様々なメーカーが開発しています。キー軸名+soundで動画検索すると、打鍵音のテストを見つけることができます。
静音軸をプラスチック筐体に装填すると、本体の反響音が響くので大きな効果は感じられないかもしれません。金属筐体にガスケットマウントが載っているものであれば、かなりの静音化が期待できます。
ルブの塗布
スイッチ内部の部品に潤滑油(ルブ)を塗布することで、摺動抵抗を減らし、音を小さくすることができます。
Reddit – [help] Do lube stations really make the process easier? より引用
ルブの塗布はスイッチを分解してルブを塗る道具が必要になるため、やや上級者向けです。
本体底面に吸音材(粘土)を敷き詰める
実はこの粘土静音化は20年以上前からある伝統的静音化技法です。
この粘土静音化は、百均の普通の工作用粘土でもいいのですが、配管用パテなどの経年劣化に強いものを使ったほうがいいです。キーボードを分解し、本体底面にぴったり敷き詰めます。
すでにウレタンの吸音材が入っていたりしますが、その下に敷き詰めます。
これができるのはバッテリーが搭載されていない有線キーボードのみです。バッテリーを粘土で覆わないでください。
やめたほうがいい軸
クリッキー軸全般と、バナナ軸、ミント軸などの反発の強いタクタイル軸は避けたほうが良いです。
クリッキー軸は言うまでもなくやかましいことが本分なので、静音を期待するのは間違っています。バナナ軸やミント軸はタクタイル感が強く、かなり大きな音が響きます。通常の茶軸とは比較になりません。
また、反発の強いリニア軸も打鍵が強くなってしまって、大きな音を響かせることがあります。
最初はお勧めできない静音化
初心者が最初からやるには少し効果に疑問がある静音化方法について。
Oリング
小さな輪ゴムを軸のステムに装填する静音化方法です。専用のリングが売られてます。
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Oリングで底打ち音を小さくするという静音化は一般的ですが、これは打鍵音も打鍵感も著しく損ねることがあります。せっかく購入したメカニカルキーボードがまるでメンブレンになります。
テープを貼る
テープモッドは静音化界隈では一般的な改造方法ですが、テープ自体の経年劣化が早いため、定期的なメンテナンスが必要になります。初心者にはオススメできません。
Tempest Tape Mod Tutorial: Explained and Demonstrated
貼るテープはマスキングテープや養生テープのように、粘着力のあまり強くないものを使います。あまりベタベタするものを使うと元に戻せなくなります。
スイッチフィルム
ルブや静音軸交換に比べて、静音効果が非常に小さいので、最初から手を出すべきではないと思います。フィルムはルブキットを買うとたくさんおまけでついてきたりします。
ルブ作業のときについでに挟んでみる、程度なら良いですが、静音化のためにフィルムを購入するのは後回しで良いと思います。
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