キーボードのキー数はフルサイズを100%としたとき、
- 96%
- 80%
- 75%
- 65%
- 60%
上記のようにキー数の少ないものがあります。
60%以下のキーボードも存在しますが、趣味の世界で実用的とは言えません。
小サイズキーボードのメリット
フルサイズのキーボードの使用者にとっては、テンキーやhomeキー、ファンクションキーの欠けたキーボードになんのメリットがあるかわからないことがあります。私自身も昔はRealforceのフルサイズキーボードを使っていたこともあり、テンキーがないキーボードは恐ろしくて触れませんでした。
業務において、小サイズのキーボードは「デスクのスペースを有効活用できる」というメリットではなく「必要なキー以外は邪魔」という考え方に基づいて選ばれます。
エクセルに数値を入力する作業を行わない人によってテンキーなど無用の長物ですし、ホームポジションが崩れるhome/endキーやpgup/pgdnキーなどは基本的に触りません。
またパソコンを持ち出して、外でタイピングする人にとっては、大きなキーボードは持ち運びができません。金属筐体のキーボードは非常に重くて持ち運びに向いていませんが、ケースに入れれば運搬は可能です。フルサイズキーボードはそもそもケースの調達が困難です。
タイピストに人気の2タイプ
日本語入力やプログラムを書く人には、以下の2タイプのキーボードが人気です。
75%キーボード
文字キーにカーソルキーとファンクションキーを残した省サイズキーボードです。
バッククォートがワンキーで打てる位置にあり、開発にファンクションキーを使うプログラマが好みます。
deleteキーやhome/end、pgup/pgdnはモデルによってあったりなかったりします。
65%キーボード
75%から更にファンクションキーを省略した小型キーボードです。
ファンクションキーをほとんど使わない文章を入力する人に向いていて、筐体サイズも小さく、必要な軸も少ないのでコスパにも優れます。
60%という罠
一部のプログラマが好んで使う60%キーボードですが、これは65%キーボードから右端のキーと「カーソルキー」を省略したものです。
実用的キーボードの中では最小サイズなので非常に効率的な打鍵が可能ですが、カーソルキーがないというのは、経験したことのない人にとっては非常にハードルが高いものになります。
タイピストは文章やプログラムを記述、編集するのですから、自覚している以上にカーソルキーは多用します。特に行選択や単語選択においては、かなりの使用頻度になります。
これまでワンキーで賄えていたカーソルキーがFn+文字キーという組み合わせになると、想像以上に操作負荷が高くなります。
例えば、カーソル位置から行頭までを丸ごと選択する場合は、
80%キーボードであれば、Shift + home
75%、65%キーボードであれば、Shift + ⌘ + ←
でしたが、60%キーボードでは、Shift + ⌘ + fn + 文字キー
となかなかの複雑さです。
単語選択などを常用する方にとってはかなりの修行が必要になります。
憧れる前にまずカーソルキーのあるキーボードを購入し、fnキーの設定を60%を同じ状態にしてカーソルキーを使わずに打鍵できるかどうかを事前に試したほうが安全です。慣れない人は永久に慣れないようです。
60%のカーソルキー
これはキーボードによりますが、ご自身で設定することもできます。
[
; '
/
ここに上下左右を割り当てるHHKB方式が一般的ですが、
W
A S D
ここに割り当てるFPS方式や、
H J K L
この一列に割り当てるvim方式もあります。
vim系コーダーには最適
60%キーボードを使う場面がコーディングで、エディタにvim + neobundleやneovimを使っている人にとってはカーソルキーは不要なので、60%キーボードは最適な打鍵環境と言えます。
vi時代はカーソルキーの入力を受け付けなかった漢のエディタも、vimからはカーソル入力を認識するようになりました。そんな軟弱な打鍵を許さない詰めvim兄貴たちは60%キーボードを愛用しています。