75%のキーボード

キーボードTips

初めてメカニカルキーボードを選ぶときに、96%、80%、75%、65%などの様々なレイアウトの選択に迷うと思います。普段フルサイズのキーボードを使っていると、テンキーが無いキーボードに不安を感じるかもしれません。

アイキャッチはmode – sonnetより引用。

75%という暫定回答

個人的には65%が好みですが、多くの初心者にお勧めできるレイアウトは75%です。

75%までのキーボードであれば、常用する多くのキーをワンキーでタイプできるため、タイピングにストレスを感じることはありません。サイズも比較的コンパクトで、ホームポジション右側のサイズ感も適切なので、マウスの邪魔になることもありません。

80%以上のキーボードでは右側の張り出し部分のせいでマウスが窮屈になります。Home、Endを多用する方でも、Ctrlキー(⌘キー)と矢印キーの組み合わせで代用できることを知っておくと、右端のキーはほとんど使わなくなります。

65%以下のレイアウトは、それぞれのサイズで宗派のようなものになっているため、最初に小サイズのキーボードを買うのはリスクになります。無難な75%から入って、それより大きいものが欲しいか、よりコンパクトなものを求めるかを見極めたほうが安全だと思います。

また、75%キーボードはラインナップが非常に豊富で、ほとんどのメーカーが製造しています。このレイアウトに慣れると、選択肢が非常に広くなります。

Rainy 75 Keyboard

ファンクションキー

「ファンクションキーはほとんど使われない」という説は未だに支配的ですが、物理ファンクションキーを消滅させたMacbookProのTouchbarは非常に不評でした。

ファンクションキーの用途は人によって様々ですが、一切使わない、という人は逆に稀で、日本語タイピストの多くがF7(カタカナ変換)、F9(全角英数変換)を常用します。⌘+Rでブラウザ更新する人より、F5ワンキーで更新する人の方が多いでしょう。

また、Web開発者は多数のタブごとにデベロッパーコンソールを開くためにF12を多用します。「そんなのFn++でいいんだよ」という65%強者の意見は実情に対する想像力が足りていないかもしれません。複数タブのコンソールを開くときは、割とマジで切羽詰まってる状況なので、並んだタブをマウスでカチカチしながらFn++なんてキーペア打鍵してる余裕はありません。キーペア連打するよりキーボードを交換したほうが楽、と思われてしまった時点で常用には向きません。

テンキー

数字を大量に入力する人、あるいはblenderユーザーなどはテンキーが必須ですが、フルサイズキーボードはお勧めしません。メカニカルユーザーは複数のキーボードを所有することが標準的ですが、そのすべてをフルサイズで揃えることは現実的ではありません。選択肢も非常に狭くなります。

テンキーだけのメカニカルキーボードを一つ購入しておくと、それ以外は75%以下のキーボードで賄えます。テンキーが右側だと邪魔な場合は左側に置くこともできます。

問題は、テンキーであっても高級機は比較的高額になるということです。EPOMAKERのテンキーであれば、比較的安価でありながらガスケット搭載の高品質な金属筐体のテンキーが入手可能です。テンキーに関して品質にあまり拘りがなければ、そこは廉価の量販品でも良いかもしれません。

右側のキーとノブ

75%キーボード製品の個体差は、右側のキーとノブの存在です。

  • 右側のキーがいくつあるか。
  • 右側のキーには何が割り当てられているか(キーマッパやVIAで変更可能)。
  • 矢印キーは離れているか。
  • ノブがついているか。

選択するときは、これらの個体差を確認して選ぶと良いと思います。音楽や動画を頻繁に見る人やテレワーカーは、ノブが必須になってきます。ゲームでも使う人は右側キーはマクロ用なので3つのものより4つのものが良いでしょう。日本語タイピストは矢印キーが少しだけ離れているものを選択すると誤打鍵が減ります。

お勧めの75%キーボード

75%キーボードは種類が非常に豊富な分、目移りしすぎて迷います。購入前にsound test動画などを確認して、雰囲気を確認しておきましょう。

Keychron Q1シリーズ

定番のKeychron Q1シリーズであれば、概ね理想的な構成の製品と言えます。注意すべき点は、筐体が他の75%よりも数ミリ高いので、パームレストの下にシリコンシートを敷かないと手首が痛くなる可能性があります。

keychron Q1 Max

プレートの精度やフォームの厚みも最適で、打鍵の安定性も非常に良好です。細かい部分を突き詰めると、ガスケットが若干安っぽかったりデフォルトでついてるPCプレートの剛性に難があったり、スタビライザーが少々残念だったりしますが、Qシリーズはカスタマイズ前提の機器なので、気に入らない部材は自分で交換することができます。

ノブつきで矢印キーが若干離れているレイアウトであるため、打鍵時に小指でキーを探すことができます。デフォルトでセットになっているKSAプロファイルのキーキャップは湾曲がキツすぎるため、好き嫌いが分かれるでしょう。

国内代理店から購入する製品であれば技適取得済みです。

CIDOO V75 Pro

中華キーボードの中でもコスパは最高の部類に入ります(組み立て済みで2万円前後)。中華製で最高峰と謳っている紹介記事も多いですが、コスパが最高なだけで品質が最高というわけではありません。

VIAに対応しており、ノブつき、矢印キーも少し離れたレイアウトになっており、金属筐体にはそこそこの重量感があります。価格なりに構造の個体差があり、フォームがはみ出してるものや、筐体に歪みがあるものが確認されています。EPOMAKERのHi75のような底抜け感もあまりなく、安定した打鍵感を手に入れられます。ただ、高級機に比べると若干のカパカパ感はあります。人気商品なので新品では入手が難しくなっています。

EPOMAKER系はみんな共通しているのですが、キーキャップを外すときにスイッチがくっついてきたり、スイッチを外すときになんかバキっと壊れそうな音が響くのはPCBのせいでしょうか。

「技適取得済み」という情報がありますが、公式では確認できませんでした。

Rainy 75 Pro

打鍵感ではCIDOO V75 proを上回るRainyですが、やはり価格帯としては若干の個体差が認められるという報告があります。中古品は筐体の歪みを明記せずに売られていることがあるので注意が必要です。新品はこのクラスのキーボードとしては少々値が張ります。

打鍵音は文字通り雨音のような静かなコトコト系になっていて、中央と外側のキーの打鍵音の差はそれほどありません。最近は差し込み式のスタビライザーでも安定感が優れているので、横長キーでも心地よい音が響きます。

キーレイアウトは密着コンパクト型で、右上にノブがありません。また、後継機のHEやRTは磁気スイッチモデルなので、通常のスイッチと互換性はありません。比較的マット系のモデルなので、クリッキーと相性が悪いことを憶えておいてください。

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